5月の夜、窓を開けるとどこからともなく聞こえてくる「ゲロゲロ」「ケロケロ」という鳴き声。田んぼや川沿いを歩けば、思わず耳を傾けたくなるような、カエルたちの合唱が響いてきます。
でもこの鳴き声、なんのために鳴いているのか、気になったことはありませんか?
実は、カエルの鳴き声にはちゃんとした意味があるんです。
まず知っておきたいのが、カエルの鳴き声を出しているのは基本的にオスだけだということ。鳴く最大の理由は、
メスに自分の存在を知らせるための「求愛」なのです。
つまり、あのにぎやかな合唱は「ここにいるよ!」「僕を選んで!」というラブコール。
種類によって声の大きさや高さが違うのも、メスに自分をアピールするためなんですね。
カエルの鳴き声はすべてがラブソング、というわけではありません。実は鳴き方にはいくつかの“モード”があり、それぞれに意味があります。
- 求愛音:メスを誘うための鳴き声。夜に最もよく聞こえるのはこれ。
- けんか音(威嚇音):他のオスが近づくと、「ここは俺の場所だ!」という主張を込めて違う鳴き方をします。短くて早い「クククッ」などの音。
- 警戒音・悲鳴音:敵に襲われたとき、「キャッ」と高い音を出して驚かせようとすることもあります。
つまり、カエルは目的に応じて鳴き声を使い分けているというわけです。見た目以上に、実はとても賢いんですよ。